同窓生紹介 ドン・ボスコの教え子たち

神奈川歯科大学 理事長

鹿島 勇さん

かしま いさむ 宮崎県宮崎市出身。1967年、日向学院高等学校卒業。神奈川歯科大学大学院博士課程修了。神奈川歯科大学放射線学助手、講師、助教授、教授、同大学附属病院副院長、同大学副学長、同大学図書館館長を歴任の後、同大学評議員、理事を経て、2009年12月より学校法人神奈川歯科大学理事長。

サレジオ歴

日向学院高等学校同窓生

時代の変化を読み取る
大局観を持って、
今後も行動します。

日向学院高等学校同窓生で神奈川歯科大学理事長の鹿島勇さんが、令和7年春の叙勲において「旭日中綬章」を受章されました。功労概要は、私学振興功労。神奈川歯科大学をはじめとする改革に対する取り組みが評価されました。

記事内容は取材当時(2025年7月)のものです。

神奈川歯科大学の特徴は?

鹿島勇理事長の旗振りで大学改革に取り組んできた神奈川歯科大学。これまでの15年間で、新附属病院の建設、羽田空港サテライトクリニックと日本橋歯科・健脳クリニックの開院、東京歯科衛生専門学校のグループ化など大型事業を着実に展開してきました。現在は、学校のブランディング戦略としてキャンパス改造を進めており、2024年には本部棟が完成。この先も研究棟、体育館、講堂、解剖実習棟、図書館等のリニューアルを控えています。

新本部棟が国際的な建築賞を受賞しました

昨年末(2024年)に飛び込んできた嬉しいニュースです。権威あるアメリカの国際的建築デザイン賞である『Architecture Master Prize』で日本で唯一、教育施設部門での評価を受けました。事務機能と学生の居場所を兼ねた施設は、雲をイメージした大屋根とカラーコンクリートを用いた外壁のトワイライトピンクが特徴です。季節や時間、挿し込む光の角度によって様々な表情を見せてくれます。デザイン性だけでなく、周辺環境との調和や学生の使い勝手も認められました。24時間の施設開放は、各自の生活スタイルに合わせて勉強時間を確保してもらうためです。多くの学生が利用していますが、外から丸見えのガラス張りは見られている緊張感があり、集中力を高める効果があるようです。

羽田空港ターミナルに開設したクリニックが好調です

旺盛なインバウンド需要に支えられ、先進的な歯科治療を提供する『医療ツーリズム』が拡大しています。同クリニックは新型コロナの緊急事態宣言下にオープンしましたが、日常が戻ってからは期待通りの展開になっています。

歯科医療を発展させる新しい取り組みの発表もありました

医薬品開発の『シミックホールディングス』と包括連携協定を結びました。本学の歯科医療の知見と技術をペットの健康寿命延伸にも応用していくものです。2026年を目途に東京都港区で新たな医療機関を開院します。

18歳人口の減少が続いています。活力ある発展には学生の確保が重要となります

前提となるのは質の高い教育と魅力あるキャンパスライフの提供です。これを維持・発展させていくために学生の確保が欠かせません。そのための新しい試みとして、都内の医学部受験専門予備校を私自身が訪れて、生徒の前で歯科医療の現在地と未来をプレゼンしました。口腔と全身の健康は密接不可分な関係にあり、認知症予防をテーマにした医科歯科連携による日本橋の『歯科・健脳クリニック』の先進性、医療を志す人の聖地とも言える『人体標本室』など本学の優位性をアピールしました。もうひとつが47都道府県内に1校ずつ、本学と高校の『系属校化』を図っていくものです。互いの特性を利用し合い、一部カリキュラムの乗り入れを行うことで入学時の単位認定などを可能にします。高い次元の高大連携として機能させていく考えです。第1号として、新年度から緑ヶ丘女子高校との提携をスタートします。

留学生の比率も全体の2〜3割と高い水準です

本学では十数年前からアジア圏の留学生の受け入れを積極的に行ってきました。学生確保の文脈で語られがちですが、卒業生の人脈を活かしたグローバル戦略が本当の狙いです。キャリアを積んだ本学の卒業生が現在30〜40代になっており、彼らを軸に新しい展開を描ける段階となりました。理事長として16年目を迎えます。時代の変化を読み取る大局観を持って、今後も行動します。