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2020年06月17日更新

世界連合ホルト会長「私たちには皆さんが必要です」

(BoscoLink – 2020年6月10日)
https://www.bosco.link/webzine/59862

サレジオ同窓会世界連合 会長挨拶(2020年5月24日)

 

サレジオ家族の皆様
サレジオ家族各会の代表の皆様

まず初めに、皆さんに心からのご挨拶を申し上げ、“コロナ”ウィルスに関連する厳しい挑戦を投げかけられているこの時、皆さんのことは絶えず私の祈りと意向の中にあることをお伝えしたいと思います。私たちが毎年恒例の諮問評議会のためにトリノに集えなかったのは、コロナウィルスのせいです。私にとって諮問評議会は祝福とインスピレーションを頂く時なのですが。そこで、今年は直接お会いすることができないので、私の気持ちやいくつかのアイディア・考えを、この手紙を通して分かち合わせてください。

今年、2020年は、同窓生にとって重要な年です。ドン・ボスコ同窓会の150周年(卒業生カルロ・ガスティーニがドン・ボスコに “tazzine”‐コーヒーカップを贈ってから150年)を祝う年だからです。そこで、次のことについて振り返る時なのです。我々は何者なのか、150年間、その一員となってきたサレジオ家族の中で、どのような存在なのか。私はサレジオ家族をいくらか“魔法の”輪のように捉えています。サレジオ会とすべてのサレジオの霊的グループは、その中で、若者の成長を助け、ドン・ボスコやサレジオ家族について教えます。そして、若者たちは自らの召命を選択してサレジオ会員やサレジアン・シスターズ、サレジアニ・コオペラトーリなどになり、あるいは、ほかの若者や周りの人々と共に、サレジオのスタイルで人生を生きるのです。このようにして、“輪”はいつも生き生きとし、ますます多くの人の参加を得ながら広がっていきます。

同窓会がどのような形でサレジオ家族に所属しているのかと、私はよく尋ねられます。私たちがサレジオの学校や事業で生徒だったり、そこに暮らしたりしていたときは、訓練や教育を受けるのは私たちでした。その環境を離れ、同窓生となった時から、私たちは、ドン・ボスコの近くにとどまり、このサレジオ家族の輪がますます成長するために、生活の中で貢献する方法を見つけなければなりません。私たちはサレジオ家族のほかのメンバーをサポートするよう招かれている、しかしまた、自らを教育し、サレジオ会、サレジアン・シスターズ、コオペラトーリ、VDB、CDB、そのほかのグループと共に、人々のために教育者となるよう招かれている、と私は確信します。このことは同窓会にとって大きな重要性を持つと思います。──プロフェッショナリズム職業的専門性の意識、技能を高め、日々の生活と社会の中でごくささやかな機会も捉え、今年のストレンナ(サレジオ家族年間目標)でもある私たちのモットー、「良いキリスト者、誠実な市民」(日本では「誠実な社会人、キリストに倣う者」)をあかしすることです。声を上げ、公に、不正義、表面的な価値観、無関心と闘うことは、私たちの召命であると私は確信します。私たちは、ドン・ボスコの子であることの重要性と意味をあかしするため、個々の生活と共に、職業的専門性によってさまざまなレベルで社会生活に参加しています。

サレジオ家族の皆さん、皆さんが教師、先生、教育者、助言者、霊的指導者として私たちの人生に重要な位置を占めていると私たちは感じています。子どもは、成長した後も父親を必要とします。同じように、私たちには天の父が必要です。しかし何よりも、私たちは活動的で効果的であるために、皆さんが必要です。皆さんの召命のおかげです。いつも正しい道をたどれるよう、何が正しいか、いつも注意し、謙遜にそれを行えるよう、皆さんの霊性と支えが必要です。私たちは共に歩むとき、ドン・ボスコの足跡に従いながら、周りの世界を改革するために、驚くほど多様な手段を持つことになるのです。皆さんには血管を循環するドン・ボスコの力と価値観があり、私たちにはドン・ボスコの喜びと、家庭・仕事・さまざまな取り組みにおける大きな可能性があります。私たちが隣り合い、未来に向かって共に歩むとき、はじめて私たちは、サレジオ家族を支え、成長させることができるでしょう。

この言葉をどうぞ忘れないでください──私たちには皆さんが必要です。皆さんの心、祈り、模範、共にいてくれることが必要です。同時に、自分たちの奉仕と共に皆さんの奉仕を支えるため、専門的技能と能力を提供します。同窓生としての召命と使命をより良く生き抜くことができるよう私たちを助けるために、この申し出を活用してくださるようお願いします。私たちが皆、互いを必要としていると私は確信します。サレジオの使命を果たすために皆さんが若者を必要とするのと同じように、21世紀の今日においても、使命を果たすため、皆さんは私たち同窓生を、パートナー、支援者として必要としていると。

私が、私たち同窓生が抱くことのできるこの洞察、私たち皆の未来についてのこのイメージを考慮してくださるよう、お願いします。共に、皆さんにお願いします。皆さんが私たちをどう見ているか、私たちにどうあってほしいか、私たちに何を必要としているか、教えてください。皆さんが私たちに何を与えたいと望んでいるか、教えてください。この開かれた対話、意見交換を通して、私たち皆が、父ドン・ボスコの本当の、生きた、意味深い家族を構成できるように。

私たちの聖年の取り組みの一つ、アンケート2020を通して考えを伝えてほしいと、すでに皆さんに呼びかけました。アンケートには、21世紀の同窓生のための基本的な問いが含まれています。まだ回答していない方は内容を読み、答えを送ってくださるようお願いします。ほかの皆さんには、興味深い貴重な回答を、心から感謝致します。同窓会の150周年、2020年の聖年を祝うため、私たちはそのほか数々の取り組みを準備しました。アンケートと2020年の総長によるストレンナ解説の、全同窓生への配布のほか、私たちは5つの主要なプロジェクトに取り組んでいます。

1. カルロ・ガスティーニを紹介する本と、像あるいは記念碑: 同窓生のセルギ・ロドリゲスがカルロ・ガスティーニについて優れた研究を行いました。カルロ・ガスティーニは最初の同窓生、ドン・ボスコの同窓会の最初の会長として知られています。イタリア語版が出版されており、広く普及させるため、多くの言語への翻訳を進めています。本と共に、ヴァルドッコのふさわしい場所に設置するカルロの像か記念碑をデザインしているところです。

2. アルベルト・マルヴェッリを紹介する本: もう一人、よく知られている同窓生はイタリア人の福者、私たち同窓生にとって良いキリスト者、誠実な市民となるための大いなる模範です。マルタの同窓会は世界評議会と共にアルベルトについてのすばらしい本を制作しました。それはまもなく多くの言語に翻訳され、近々出版されます。

3. 私たちはまた、際立った生涯を送った150人の同窓生を紹介する出版物も制作しようとしています。カルロ・ガスティーニやアルベルト・マルヴェッリに加え、その生き方によってインスピレーション、模範を与えてくれる多くの同窓生がいます。私たちは150人のプロフィールを電子書籍に収め、その生涯に心をとめたいと思います。

4. 150のベスト・プロジェクト。人だけでなく、計画や取り組みも、同窓生とサレジオ家族にインスピレーションを与えてくれるものとして目を向ける価値があります。同窓会150周年を念頭に、私たちは150の取り組みについて出版物を準備しています。世界中の同窓生による、良い、しっかり動機づけられたプロジェクトです。これらのプロジェクトは、ドン・ボスコへの私たちの感謝を広め、表し、またほかの同窓生を動機づけ、インスピレーションを与えるでしょう。

5. 最後に、贈りもの: 150周年のコーヒーカップ。私たちは150組限定で、贈答用のギフト・ボックスを用意しました。最初の同窓生が1870年6月24日にコーヒーカップ一揃えをドン・ボスコに贈ったことにちなみ、150周年のロゴ入りの高品質のカップを制作、コーヒー1袋と一緒に洗練された木箱に詰めました。「DI BOSCOプロジェクト‐同窓会コーヒー」によるものです。コーヒーは、この150年に及ぶ私たちの協働と成長の実りを表しています。ヨーロッパとアジアの同窓生の国際的な取り組みによって出来上がった最初のコーヒー・ブレンドで、「ガスティーニ・ブレンド」と名付けられました。私たちは1組、150ユーロの基本価格で販売を始めるところです。目的は、アメリカ大陸、アフリカ、アジアでの同窓生による農業分野の社会的・教育的プロジェクトの資金を集めることです。皆さんにとってもこのすばらしいプロジェクトを支援し、祝いに参加する一つの方法になるでしょう。皆さんの祈りに加え、各同窓会で、数量限定のこのギフト・ボックスに興味を持っていただければと願っています。皆さんの意向に従い150ユーロ、あるいはそれ以上の価格で購入していただき、世界各地のコーヒー、ココア栽培の若い担い手の教育にささげられるこのプロジェクトを支援していただく、という目的もあるものです。興味のある方は左記へご連絡ください: tazzine150@exallievi.org

 今年の私たちのあらゆる企画や取り組みへの皆さんの参加を歓迎し、お待ちしています。そして、この150年にあたっての私たちの喜びとドン・ボスコへの感謝を、皆さんが感じてくださればと願っています。同窓生にとり、この特別な時に生を受けていること、そしてドン・ボスコの夢が日々、実現しているのを目の当たりにすることは、恵みです。

皆さんお一人おひとりのため、私たちの大切なサレジオ家族のため、特に、それぞれのグループを代表する皆さんのため、お祈り致します。私たちが奉仕をささげる人々のために立派なリーダーとなれるよう、ドン・ボスコが、聖霊が、私たち皆に力と知恵をくださいますように。

ドン・ボスコのうちに

サレジオ同窓会世界連合 会長 ミハル・ホルト